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2026. 04. 10
生産者来日

伝説的バローロの造り手「ジャコモ・コンテルノ」、「ネルヴィ・コンテルノ」が初来日!傑出したワインを生み出す真髄に迫る

 言わずと知れたバローロの名門ワイナリーの一つ、「ジャコモ・コンテルノ」。トップキュヴェである『バローロ・リゼルヴァ・モンフォルティーノ』はワイン・アドヴォケイトにおいて、2000年以降何度も100点を獲得しており、古典派バローロの最高峰の一つとして讃えられています。バローロ南東部モンフォルテ・ダルバを拠点とする彼らは、北ピエモンテのワイン産地であるガッティナーラ老舗のワイナリー、ネルヴィを2018年に購入し、「ネルヴィ・コンテルノ」としてもワイン造りを行っています。

 この度、オーナーのロベルト・コンテルノ氏及びご子息のガブリエーレ・コンテルノ氏が初来日しました。畑やワイナリーの仕事で長期間不在にすることが非常に珍しいというロベルト氏が、海外で直接想いを語る貴重な機会。ワインラヴァー垂涎の逸品が生まれる、真髄に迫ります。

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左から「ネルヴィ・コンテルノ」海外営業担当のエリザ・サンタマリア氏、ロベルト氏のご子息ガブリエーレ・コンテルノ氏、オーナーのロベルト・コンテルノ氏、「ジャコモ・コンテルノ」海外営業担当のステファニー・フルー氏

■人の"想い"で繋いできた「ジャコモ・コンテルノ」

 「ジャコモ・コンテルノ」はロベルト氏の祖父であるジャコモ・コンテルノ氏の名前に由来します。コンテルノ家では18世紀からワイン造りを行っていましたが、1920年、ジャコモ氏の代で初めてバローロを瓶詰めし「ジャコモ・コンテルノ」の名で販売を行いました。その後、ロベルト氏の父、ジョヴァンニ氏の時代にはイタリア国内のみならず、海外の市場にも目を向けるようになります。1988年からロベルト氏が、2018年からはご子息のガブリエーレ氏がワイナリーで働き始め、現在に至ります。ロベルト氏は「ジャコモ・コンテルノは単に人が繋いできただけではなく、人の"想い"を持って繋いできたのです」と代々家族がワイン造りを行ってきた経緯を語ってくれました。

 ロベルト氏の父、ジョヴァンニ氏の時代(1950年代)のイタリアでは買い付けブドウを使うのが普通でした。それまでモンフォルテ・ダルバの地でワイン造りを行っていましたが、ジョヴァンニ氏はより高品質なブドウを求めて、1974年にセッラルンガ・ダルバに位置するカッシーナ・フランチャに初めての自社畑を購入。伝統的な醸造方法で仕立てた力強く優美な味わいのワイン『バローロ・カッシーナ・フランチャ』を完成させました。その後、ロベルト氏が2008年にチェレッタ、2015年にアリオネを購入。そして、2018年には親交のあった、北部ピエモンテに位置するガッティナーラ※1のワイナリー「ネルヴィ」を購入し、現在バローロとガッティナーラの二つの地でワイン造りを行っています。

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左から『ガッティナーラ』『ガッティナーラ ヴィーニャ・ヴァルフェラーナ 」/ネルヴィ・コンテルノ、『バローロ ・アリオネ』『バローロ ・フランチャ』『バローロ・リゼルヴァ・モンフォルティーノ』/ジャコモ・コンテルノ
※1 ガッティナーラ...ネッビオーロを主体として造られるピエモンテ州北部で最も有名なD.O.C.G.の一つ。長期熟成ポテンシャルが高い、力強い味わいの赤ワインが造られる。

■醸造方法は同じ、違うのはテロワールだけ

 「ジャコモ・コンテルノ」が所有する畑はセッラルンガ・ダルバ村に位置するフランチャとチェレッタ、セッラルンガ・ダルバ村とロッディーノ村にまたがるアリオネの三つです。フランチャとチェレッタではネッビオーロのほかにバルベラも造っています。バルベラを造っている理由として「私自身が、バルベラが好きだからです。イタリアの中でも偉大な品種だと思っていて、バルベラのワインを造ることは私に満足感を与えてくれます」と語っています。

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赤い線より左がフランチャ、青い線より手前が「ジャコモ・コンテルノ」が所有するアリオネの畑。オレンジ色の破線はアリオネの畑にまたがる、バローロエリア内(セッラルンガ・ダルバ村)とエリア外(ロッディーノ村)の境界。

 所有する畑の中で、フランチャとアリオネは隣接しています。どちらも石灰泥灰岩質土壌で構成されていて醸造方法も同じですが「バローロ・フランチャ」と「バローロ・アリオネ」を飲み比べると、アリオネの方がよりタンニンが柔らかい印象があります。これは畑の位置によるもの。フランチャは西南西向きの畑、アリオネは南向きの畑で収穫も少し早いそう。「ネッビオーロは非常に繊細な品種で、どこで植えたかで違いが出ることを感じていただけると思います」と、テロワールによる違いを語りました。

 一方、「ネルヴィ・コンテルノ」が位置するガッティナーラのエリアはモンテ・ローザ山が近く、降雨量はバローロの約2倍に及びます。ただ、この地域は太古の火山活動の影響で斑岩を含む火山性土壌となっており水はけが良く、ブドウ生育に適した環境となっています。
 このように、「ジャコモ・コンテルノ」も「ネルヴィ・コンテルノ」もブドウ品種と醸造方法は同じ。ですが、味わいには明確な違いがあります。ロベルト氏は「これは土壌とミクロクリマの違いによるもの。タンニンの"質"が違いとして感じられます。ガッティナーラはバローロより柔らかくてエレガントなタンニンが特徴。タンニンの量ではなく質自体が異なるのです」と話し、それぞれのワインに繊細な違いがあると語ってくれました。

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「ネルヴィ・コンテルノ」の発酵槽。木製発酵槽は「ジャコモ・コンテルノ」と同じものを使用。

■品質向上を追求する、ロベルト氏のこだわり

 優れたワインを生み出す要因の一つと言えるのが、細部への徹底したこだわりを貫くロベルト氏の姿勢です。
 「畑は良いブドウができる場所で、ワインが造られるのは醸造所です」と畑はもちろんのこと、使用する酵母やコルク、ボトリングなど、醸造過程の細部にまでこだわりをのぞかせます。ロベルト氏はワイン造りにおける様々な研究を行っていて、そのうちの一つが酵母の研究です。2007年からリサーチを始め、3~4年もの歳月をかけて、自社畑のブドウから採取した100種以上の酵母を調べ、バルベラとネッビオーロそれぞれに最適な酵母を発見しました。発酵を速やかに進める高い能力を持った酵母を用いると、酵母への過度なストレスを抑えることができ、結果として不快な香りの発生を防ぎ、クリーンなアロマを実現することができるそうです。研究の結果、以下の二つの酵母を使用しています。

・BARCO09(名前の由来はバルベラ+コンテルノ)
バルベラのための酵母。アロマティックで果実のニュアンスを感じるワインを生む。
・NEBCO07(名前の由来はネッビオーロ+コンテルノ)
ネッビオーロのための酵母。ネッビオーロらしい豊かな香りを生む。

 さらにロベルト氏が相当なこだわりを持つ、コルクについても話してくれました。
「ボトリング後に何かが起きた場合、もう後戻りできません」と、ロベルト氏。コルクに関しては、まっさらな状態のコルクを取り寄せ、それに焼き印をつけるなどの作業を自身のワイナリーで行っています。コルクがワイナリーに届いた時の価格は約3ユーロですが、ワイナリーで手を加えて最終的に2倍の約6ユーロ(日本円で約1,000円)にも及ぶのだとか。コルクに欠陥が起こらないように機械で計測し、加えて人の目と鼻でもチェックを行っています。コルクに問題があれば、当然、素晴らしい仕上がりのワインに影響を与えてしまいます。そうしたリスクを取り除くため、少しでも異変のあるコルクは使用せず、徹底的に厳選したコルクのみを使用しています。

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選び抜かれたコルク

■『モンフォルティーノ』はまるでブドウを噛むような、飲みごたえのあるイメージ

 トップキュヴェ『バローロ・リゼルヴァ・モンフォルティーノ』は、毎年リリースされるわけではない、非常に貴重な1本です。「ほかのキュヴェと全く別物というわけではく、途中で道筋が別れて誕生するものです」とロベルト氏は言います。毎年、収穫の数日前に各エリアのブドウを食べてみて、どのエリアをモンフォルティーノに使用するか決め、その後、他のバローロよりもやや高い温度で発酵させ、樽熟成を行います。『モンフォルティーノ』は毎年リリースしていませんが、実はこの作業自体は毎年行っています。熟成中に何度もテイスティングを行い、『モンフォルティーノ』にするのか『バローロ』にするのかを決定しています。

 「自分の頭の中にこれがモンフォルティーノだというイメージがあるのですが、説明するのが難しいです。あえて説明するならば、他のバローロは飲みやすく感じますが、モンフォルティーノはまるでブドウを噛むような、"飲む"というより"噛みたくなる"ニュアンスがあります」と、ロベルト氏の中で理想のモンフォルティーノがあるのだとか。こうしてロベルト氏が納得した年のみがリリースされています。直近では2016、17、18年のリリースはなく、2019年ヴィンテージが4年ぶりのリリースとなりました。2019年のモンフォルティーノはまさに"噛む"という表現を実感できるほど、ストラクチャーがしっかりとしていて、非常に熟成ポテンシャルが高い仕上がりとなっています。

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『バローロ・リゼルヴァ・モンフォルティーノ』

■ワイン造りに丁寧に向き合う誠実さが大切

 ロベルト氏は自身のワイン造りに対して「どんなワインを造るときでも最も大切なのは "バランス"だと思っています。ワインの品質はもちろん、それよりも仕事と誠実に向き合っているかが重要です。ワインは情緒的に表現されることがあると思いますが、それはあくまで一部。大切なのは、きちんとした仕事を見せることだと考えています。また、生産者として常にクリーンな状態でいること、そして自分がすべてを理解していると思い込まない姿勢も欠かせません。ワインを楽しんでくださる方に向き合うときも同じです。80%は丁寧にワイン造りと向き合う姿勢を示すこと、感覚的な表現について語るのは20%、というこのバランスが良いと思っています。誠実な仕事をしている結果、生まれるワインだということを感じてほしいです」と気持ちを込めて語ってくれました。

 ロベルト氏のワイン造りへのこうした誠実な想いが、伝説的とされる優れたワインを生み出しています。

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ワインショップ・エノテカ 広尾本店でのイベント時、お客様と語り合うロベルト氏

ジャコモ・コンテルノ:https://www.enoteca.co.jp/producer/detail/695
ネルヴィ・コンテルノ:https://www.enoteca.co.jp/producer/detail/1583