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バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドのCEOが来日!チリで追求するワイン造りと20年の検証が生んだトップキュヴェ『バロネサ・ピー』
バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社がチリで展開するワイナリー「バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・マイポ・チリ」。ボルドーで培ってきたワイン造りの思想を背景に、チリという新たなテロワールでその表現を追求してきました。
この度、オーナーファミリーでCEOのフィリップ・セレイス・ド・ロスチャイルド氏が来日。なぜ同社がチリに進出したのか、その背景にある一族の意志と哲学、そして約20年にわたるテロワールの検証を経て完成したトップキュヴェ『エスクード・ロホ・バロネサ・ピー』に至るまでの歩みについて語りました。

来日したバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドCEO フィリップ・セレイス・ド・ロスチャイルド氏
30年前、チリで始まったワイン造りへの挑戦
バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社がチリでのワイン造りに取り組み始めたのは、今から約30年前のことです。その背景にあるのが、同社を率いたバロネス・フィリピーヌ・ド・ロスチャイルド氏の存在です。今回来日したフィリップ・セレイス・ド・ロスチャイルド氏の母である同氏は、フィリップ・ド・ロスチャイルド男爵の一人娘として1988年に経営を継承し、ムートン・カデのブランド強化やアルマヴィーヴァの立ち上げなど、ワイン業界に大きな足跡を残しました。その後、チリに可能性を見出し、バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・マイポ・チリを設立しました。
彼女が求めていたのは、「長期熟成能力」と「フレッシュさ」を兼ね備えたカベルネ・ソーヴィニヨンの理想的な表現。その実現に向け、ブドウがゆっくりと成熟できる環境を世界各地で検討した結果、山と海に囲まれ、十分な日照を確保しながら成熟の時間軸を見極められるチリのテロワールにたどり着きました。
当時、チリワインは"手頃な価格帯"というイメージで語られることが多い存在でしたが、彼女は品質によってその評価を変えることを目標に掲げ、本格的なワイン造りに踏み出しました。
セレイス氏は母フィリピーヌ氏について「非常に情熱的で、一度決めたことには全力で取り組む人物だった」と振り返ります。
バロネス・フィリピーヌ・ド・ロスチャイルド氏
テロワールに向き合うワイン造り「エスクード・ロホ」
チリでのワイン造りの開始後、その取り組みの中で1999年に誕生したシリーズが「エスクード・ロホ」です。同シリーズは、セントラル・ヴァレーやマイポ・ヴァレーを中心に複数の産地のブドウを用いながら、フランスで培ってきた土壌選定とブレンドの技術を基盤に、独自のスタイルを確立してきました。
セレイス氏はそのワイン造りについて、「私たちが目指しているのは、"エレガンス""複雑さ""フレッシュさ"の3つの要素です。栽培から収穫、醸造に至るまで細部に注意を払い、どのテロワールにどの品種を植えるかを研究しながら、区画ごとに日々丁寧な管理を行っています。特に収穫時期には、ブドウの成熟度やフェノールの状態を数値と官能の両面から確認し、区画ごとに最適なタイミングを見極めます。収穫はすべて手摘みで行い、畑とワイナリー双方で選果を重ね、さらに熟成に用いる樽の選定に至るまで細部に気を配ることで、果実の力強さとフレッシュさが調和したスタイルを形にしています」と説明しました。
また「エスクード・ロホはファミリーの中でも特別な意味を持つブランド」とセレイス氏。その背景には、母フィリピーヌ氏への敬意があり、その志は今も受け継がれています。
"スタイルを最も明確に示すフラッグシップキュヴェ「プレミアム・ブレンド」"
そんなエスクード・ロホのスタイルを最も端的に体現しているのが、『エスクード・ロホ・グラン・レゼルヴァ・プレミアム・ブレンド』です。
フラッグシップキュヴェの『エスクード・ロホ・グラン・レゼルヴァ・プレミアム・ブレンド』
セントラル・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンとカルメネールを主体にカベルネ・フラン、シラー、プティ・ヴェルドと複数品種をブレンド。それぞれの個性を補完し合うことで、果実味・構造・フレッシュさのバランスに優れた調和の取れた味わいを表現しています。
チリならではの力強い果実味に、ボルドーのような上品さと滑らかな質感が重なり、濃厚でありながらもエレガントな仕上がりが特長です。
セレイス氏は、「このキュヴェこそがエスクード・ロホのスタイルを最もよく表す、ワイナリーを代表するワインです」と説明しました。
"単一品種による検証から生まれた上級キュヴェ『オリジン』"
エスクード・ロホが目指すスタイルを多角的に検証する中で、同社は約20年にわたり単一品種のキュヴェを中心にワイン造りを行いながら、テロワールの理解を深めてきました。そうした取り組みの中で生まれた到達点の一つが、『エスクード・ロホ・オリジン』であり、2018年がファーストヴィンテージです。
上級キュヴェの『エスクード・ロホ・オリジン』
『プレミアム・ブレンド』が複数品種の調和によってスタイルを表現するのに対し、『オリジン』はカベルネ・ソーヴィニヨン100%でその個性を純粋に表現したキュヴェです。"オリジン"は原点を意味し、同社がワイン造りを行ってきたポイヤックを指しています。カベルネ・ソーヴィニヨンはポイヤックの主要品種であり、ロスチャイルド家が長年大切にしてきた品種でもあることから、その原点へのオマージュとして単一品種で造られています。
マイポ・ヴァレーのブドウを用いそのポテンシャルを引き出し、ポイヤックでは難しいカベルネ・ソーヴィニヨン単一での表現をチリで実現しています。
味わいは、凝縮した果実にスパイスのニュアンスが重なり、しなやかな酸と熟したタンニンが骨格を形成します。果実のピュアさと構造のバランスに優れた仕上がりです。
"20年の検証の集大成として誕生したトップキュヴェ『バロネサ・ピー』"
こうした長年の検証の積み重ねを経て、その成果を結実させたのが、シリーズのトップキュヴェ『エスクード・ロホ・バロネサ・ピー』です。『オリジン』と同じく2018年がファーストヴィンテージとなりました。
トップキュヴェの『エスクード・ロホ・バロネサ・ピー』
「偉大なワインを造るにはやはり非常に時間がかかります。その土地のテロワールをよく知らないうちに、トップキュヴェを造ってしまうのは避けたかったのです。」とセレイス氏。約20年にわたる取り組みを通じて蓄積された経験をもとに、厳選された区画のブドウを用いて理想とするブレンドを完成させました。
ワイン名は、2014年に逝去した母フィリピーヌ氏への敬意を込めて名付けられたものです。現地での愛称「ラ・バロネッサ」と、フィリピーヌ(Philippine)の頭文字「P」に由来しています。その名を冠する以上、最高品質が求められるワインであり、フィリピーヌ氏の功績を象徴する存在として位置づけられています。
『オリジン』がカベルネ・ソーヴィニヨン100%によるピュアな表現を追求するのに対し、『バロネサ・ピー』はマイポ・ヴァレーの厳選区画のブドウを用い、複数品種のブレンドによって複雑さと調和を高い次元で実現しています。カベルネ・ソーヴィニヨンを主体にカルメネールやプティ・ヴェルド、カベルネ・フラン、シラーを組み合わせることで、ボルドー生産者ならではの精巧なアッサンブラージュを体現しています。
味わいは、凝縮した果実にスパイスのニュアンスが重なり、きめ細やかなタンニンとともに複雑な構造を形成します。エレガンスとバランスを備え、時間の経過とともにさらなる複雑さを引き出していく熟成ポテンシャルを有しています。
ボルドーで培われたカベルネ・ソーヴィニヨンの思想を、チリのテロワールで結実させた「エスクード・ロホ」。単一品種による検証を体現する『オリジン』に対し、テロワールと品種特性への理解を基盤に、精緻なアッサンブラージュによってそれらを統合したのが、トップキュヴェ『バロネサ・ピー』です。20年にわたる取り組みの集大成であると同時に、今後の展開において重要な役割を担う存在として、その価値はさらに高まっていくことが期待されます。
バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・マイポ・チリ: https://www.enoteca.co.jp/producer/detail/378