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エノテカ初「ローラン・ポンソ」来日イベント開催!「自分が飲みたいワインを造る」ブルゴーニュネゴシアンの想い
ブルゴーニュのモレ・サン・ドニを代表するドメーヌ・ポンソを率いてきた、ローラン・ポンソ氏。そのローラン氏が2017年に独立し、自身の名を冠して立ち上げたネゴシアンが「ローラン・ポンソ」です。この度、ローラン・ポンソ氏を迎えて、エノテカとして初となるテイスティングイベントを開催しました。最新技術を用いながら自然へのリスペクトを反映する「ローラン・ポンソ」のワイン造りについて、ローラン氏が語ったこだわりや想いをご紹介します。
↑当主のローラン・ポンソ氏
自分が飲みたいワインを造りたい
ローラン氏はブルゴーニュのモレ・サン・ドニを代表する名門「ドメーヌ・ポンソ」の出身。「ドメーヌ・ポンソ」は1872年創業の150年以上にわたり家族経営を行う歴史を有する生産者です。ポンソの魅力は、所有する輝かしい畑の数々。その中でも特筆すべきが、創業当初から所有するクロ・ド・ラ・ロッシュです。約16.9haあるクロ・ド・ラ・ロッシュのうち、約3.2haを所有しており、最大の所有者としても知られています。そのような名門老舗ドメーヌから2017年に独立し「ローラン・ポンソ」を立ち上げました。
ローラン氏は「自分が何でも知っていると勘違いしてはならない。毎日が勉強で、学びは止まらないということが、ドメーヌ・ポンソで44年間にわたり、ワインを造ってきて感じたことです。その経験から"エモーショナルで自分が飲みたいワイン"を造りたいのです」と「ローラン・ポンソ」で実践するワイン造りへの想いを話しました。
また、「ローラン・ポンソ」を立ち上げるにあたり、"ネゴシアンへのリスペクト"を大切なコンセプトとして掲げたそう。「ブルゴーニュでドメーヌ元詰めが広く普及した1970年代後半~80年代前半より以前は、ネゴシアンが栽培者からブドウや果汁を買い取り、ワインを販売していました。今こうしてブルゴーニュが世界的に有名になったその背景には、ネゴシアンがしっかり役割を果たしていたことが理由だと考えています」と、根底にネゴシアンへの感謝があることを語りました。
最新技術を用いて造り上げる"オーセンティックなワイン"
「ワインを造るにあたり、品質を生みだす要素として土壌や雨量、日照条件、などが挙げられ、人間はその一つに過ぎません。ですから、ワインメーカーがすべてを決められるというのは奢った考え方です」。
そのような考え方を持ったうえでテクノロジーを否定せず「せっかく21世紀の良い技術・機械があるので、それらを使って"オーセンティックなワイン"を造る」ことがローラン氏のワイン造りの哲学です。「ブドウは自然が作り上げるもの。私たちは介入しすぎないことが良いと思っています」と、「ローラン・ポンソ」ではブドウ本来のポテンシャルを守りながら最新の設備を用いてワイン造りを行っています。
例えば、白ワインにおいては、ローラン氏が独自に開発した逆円錐型発酵槽を用いて、発酵を行っています。この形にすることの利点の一つは、重力によって円錐の尖った部分に澱が自然に溜まることです。澱が下に沈殿したら上からポンプを入れてワインを吸い上げることで、澱を極力除いた状態でワインを取り出すことができます。できるだけ澱が入らないクリーンなワインを造りたいという目指す味わいのスタイルがこの発酵槽によって実現できています。理想の味わいのために何度も試行錯誤を繰り返したそうです。
↑白ワインの発酵に用いられる逆円錐型発酵槽
熟成樽にも工夫があります。樽は積み上がった状態ではなく、樽同士が接触しておらずフォークリフトで取り出せる状態に置いており、樽一つ一つを取り出して管理ができる仕組みになっています。こうすることで定期的にワインの状態を分析し、状態の悪いワインのケアが可能になります。また、バトナージュ(樽の中で熟成中のワインをかき混ぜる作業)を行うと、蓋を開けて攪拌させるため、酸素が入り、味わいに変化が起こるリスクを負う可能性があります。しかしこのように独立した状態であれば、樽についたホイールをぐるぐると回すことで、樽自体を回すことができ、リスクを負うことなく作業が可能だそうです。
↑熟成中の樽の様子、それぞれが独立しており一つずつ管理することが可能
こうした技術面での工夫によってローラン氏が目指す「自分が飲みたいワイン」を生み出しているのです。
「インポーターに輸出してしまえば仕事は終わりということではなく、自分が造ったワインをベストな状態で楽しんでもらうために、最新の技術を用いています」と「ローラン・ポンソ」のワインは私たちの手元に届くところまで考えた設計があります。例えば、温度が定期的に計測できるケースで輸送され、それをアプリでチェックできたり、ラベル端に緑色のマークが付いており、保管環境の温度が一定以上高くなると赤色に変化して戻らないチェックができたりと手を離れてからも管理ができるよう、きめ細かな配慮がされています。コルクも特殊で、ローラン氏が何度も試行錯誤を繰り返して作成したポリマーを使ったコルクが採用されています。これによってブショネのリスクを取り除くことができています。
↑保管環境の温度チェックができるラベル(左)と合成コルク(右)
自然とネゴシアンへのリスペクト
「ローラン・ポンソ」のキュヴェはそれぞれローラン氏が考えた、ニックネームがワイン名に付いています。自然へのリスペクトから、基本的に白ワインは花の名前、赤ワインは木の名前が付けられており、どれもローラン氏のインスピレーションに基づいています。各キュヴェを楽しむ際に、ニックネームの草花を想像しながら楽しんでみても良いかもしれません。
↑ローラン氏のインスピレーションに基づいた各キュヴェのニックネーム
左から『ムルソー キュヴェ・デュ・パンドレア』『シャンボール・ミュジニー キュヴェ・ド・ラ・ヴィオレット』『ヴォーヌ・ロマネ キュヴェ・ドゥ・セリジエール』
栽培者からブドウや果汁を買ってワインを造るネゴシアンの仕事について、ローラン氏は「良いブドウを買うための契約書はありません。すべて信頼関係、つまり握手と会話で決まるんです。パッションと愛がないと成り立たない仕事だと考えています」と最後に語りました。
ブルゴーニュワインの発展に貢献してきたネゴシアンへのリスペクトを持ち、「自分たちが飲みたいワイン」を追求している「ローラン・ポンソ」。伝統と最新技術、両者が詰まったワインをぜひご堪能ください。
↑左から『ムルソー キュヴェ・デュ・パンドレア』『ジュヴレ・シャンベルタン キュヴェ・ド・ロルヌ』『シャンボール・ミュジニー キュヴェ・ド・ラ・ヴィオレット』『シャンボール・ミュジニー プルミエ・クリュ レ・シャルム キュヴェ・デュ・ティヨル』『クロ・サン・ドニ グラン・クリュ キュヴェ・デュ・ムリジエ』