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2025. 12. 12
生産者来日

「カステッロ・ディ・ネイヴェ」、「パオロ・スカヴィーノ」よりブランド・アンバサダーが来日!ワイナリーの歴史と醸造のこだわりを語る

 イタリア・ピエモンテ地方バルバレスコ地区の生産者「カステッロ・ディ・ネイヴェ」より、ブランド・アンバサダーのキアラ・ブッファ氏とバローロ地区の生産者「パオロ・スカヴィーノ」よりセールス・マネージャー&ブランド・アンバサダーのロベルト・ボッジョーネ氏が来日。ショップにてイベントを開催し、ワイナリーの歴史から哲学、醸造のこだわりについてお話いただきました。

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↑左より、「パオロ・スカヴィーノ」のロベルト・ボッジョーネ氏、「カステッロ・ディ・ネイヴェ」のキアラ・ブッファ氏

■生物多様性を重視するブドウ栽培を行う「カステッロ・ディ・ネイヴェ」

 今回初来日となった「カステッロ・ディ・ネイヴェ」は、1964年に創業したワイナリー。1700年代初頭に建築された歴史あるネイヴェ城とバルバレスコの銘醸畑「サント・ステファノ」を購入し単独所有者となり、現在は、ネイヴェ村の8つの自社畑の約27haを所有しています。

 健全な畑づくりのためであることはもちろん、長期的な視点でサステナブルなワイナリーであるために、再生型農業を実施しています。具体的には、フェロモン剤を使用した虫の交信攪乱による害虫駆除や、ワイン醸造の過程で発生した副産物を利用した自然堆肥づくりなどに取り組んでいます。そしてイタリアのサステナブル団体の「エクアリタス認証」という認証を取得。「環境的」(Environmental)、倫理的(Ethical)、経済的(Economical)という3Eの観点から持続可能なワイナリー運営を実施しています。

■カステッロ・ディ・ネイヴェの魅力が詰まった3つのキュヴェ

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↑「カステッロ・ディ・ネイヴェ」が手がける白ブドウ品種、アルネイス

・『ランゲ・アルネイス モンテベルトット』

 創業者のイタロ・ストゥピノ氏は、1970年代にアルネイスのクローン研究に力を注いでいたそうです。 当時、アルネイスはロエロ地区に数種類の苗があるだけの、まだマイナーな品種だったとキアラ氏は語ります。この研究の背景には、イタロ氏の家族への深い愛情が感じられるエピソードがあります。白ワインしか飲まない妻のために白ワインの生産を模索していたイタロ氏が、ブルーノ・ジャコーザ氏の手がけたロエロ・アルネイスに感銘を受け、ネイヴェでのアルネイス栽培を決意したのが始まりだったそうです。

 その後、地元の研究機関やトリノ大学と連携し、約25種のクローンセレクションによる苗木の研究を進めました。現在イタリアで栽培されているアルネイスのうち、約80%がカステッロ・ディ・ネイヴェのブドウ畑で選ばれたクローンであるとされています。

 カステッロ・ディ・ネイヴェが手がけるランゲ・アルネイスは、モンテベルトット丘陵にある畑で収穫されたブドウから造られ、収穫は8月末~9月上旬に3回に分け、数日~1週間ずつ期間をずらしながら全て手摘みで行われます。収穫を3回に分ける理由についてキアラ氏が教えてくれました。

「最初は少し早めに収穫します。これは果実のバランスのとれた酸味を表現するためです。3回目の収穫ではより成熟したブドウを使うことで果実のアロマを引き出すことができます。こうして造られるワインはフレッシュさ、フローラルさ、そして複雑さを兼ね備えています。」

・『バルバレスコ』

 キアラ氏が「良いバランスを大切にしていて、若いヴィンテージでも楽しむことができるワイン」と語るのが、『バルバレスコ』です。銘醸畑として知られる「サント・ステファノ」「ガッリーナ」を含むネイヴェ村に位置する4つの畑のブドウを使用しています。繊細で熟したベリーやドライフラワーの中にオークやスパイスのニュアンスがあり、非常に親しみやすい味わいとのこと。「ワインラヴァ―だけでなく、これから飲み始める方にもぜひおすすめしたい」と話されていました。

・『バルバレスコ・サント・ステファノ』

 モノポール*1から生み出される、カステッロ・ディ・ネイヴェの上級キュヴェ『バルバレスコ・サント・ステファノ』はネイヴェ村の中でも「サント・ステファノ」という銘醸畑のブドウから造られる1本。90%以上が50年以上と樹齢が高く、急斜面で日照量が多く、微気候が組み合わさったユニークな特徴を持つ畑です。香りは非常にエレガントで、フレッシュで樹脂のようなニュアンスがあり、バラやスミレといった甘くまろやかなスパイスの余韻が感じられます。

キアラ氏は飲み頃についてこのように語っていました。

「今開けて飲むなら、果実のフレッシュさが楽しめますし、より複雑味を持たせて味わうなら15年程熟成するのがおすすめです。また熟成を経るごとに味わいの変化も面白く、同じヴィンテージを数本違うタイミングで味わっていただく楽しみ方もおすすめです。」

*1モノポール:単独所有の畑を指す。カステッロ・ディ・ネイヴェがサント・ステファノを単独所有している。

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↑左からランゲ・アルネイス モンテベルトット、バルバレスコ、バルバレスコ・サント・ステファノ

6年ぶりの来日となった「パオロ・スカヴィーノ」

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↑左から:アンナ・マリア・スカヴィーノ氏、エリザ・スカヴィーノ氏、エンリカ・スカヴィーノ氏、故エンリコ・スカヴィーノ氏

 ロレンツォ・スカヴィーノ氏とその息子であるパオロ・スカヴィーノ氏によって1921年、カスティリオーネ・ファレット村に設立されたバローロの名門ワイナリー、それが「パオロ・スカヴィーノ」です。パオロ・スカヴィーノ氏の息子である、エンリコ・スカヴィーノ氏は10歳の頃からワイン造りに参加し、若くから自分たちのブドウ畑へ愛情を育んできました。「パオロ・スカヴィーノ」というワイナリーの名前はエンリコ氏が父へ敬意を表して名付けたとのこと。エンリコ氏はロータリーファーメンター*2をはじめとする様々な革新的技術を取り入れ、バローロを世界的に認められるワインとして品質を向上させました。現在は4代目となる娘のエンリカ・スカヴィーノ氏とエリザ・スカヴィーノ氏がワイナリーを引き継いでいます。

*2ロータリーファーメンター:(水平型)回転式発酵槽のこと。これによりブドウの種に多く含まれるえぐみを抽出することなく、ピュアな果実味となめらかなタンニンを持つワインに仕上がる。

■ネッビオーロの真髄を味わう パオロ・スカヴィーノ注目の3

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↑左から『ランゲ・ネッビオーロ』、『バローロ』、『バローロ・ブリック・デル・フィアスク』

・『ランゲ・ネッビオーロ』

 ブランド・アンバサダーのロベルト氏が「ワイナリーで最も重要なキュヴェのひとつ、常にベストなクオリティ」と話す『ランゲ・ネッビオーロ』はラ・モッラ村に位置するブリッコ・マネスコットとアンヌンチャータという2つの畑のブドウから造られます。バローロを名乗ることができますが、バローロやネッビオーロに慣れていない新しい世代への入門キュヴェとしてあえて格を下げてランゲ・ネッビオーロとして売り出しているとのこと。醸造の特徴として、低温での短期間のマセラシオン3が挙げられます。これはよりアプローチしやすい、ピュアな果実味を大切にしているからだそうで、熟成に新樽は使用していません。

*3マセラシオン:一般的に赤ワインの醸造過程の中で、醗酵中のワインに果皮を漬け込む作業のこと。

・『バローロ』

 1921年の設立当初から造られている伝統的なキュヴェで、3つの村・8つの畑から収穫されたブドウを使用しています。それぞれの畑は土壌や日照条件が異なるため、畑ごとに分けて醸造を行っているとのこと。熟成の1年目は畑ごとに醸造を行い、それぞれのワインをブラインドテイスティングしたうえで、最適な比率でブレンドを決定します。 2年目に大樽へ移し、フランス産オークとルクセンブルク産オークで熟成させます。「すべてのバローロで同じ醸造を行うこと」をこだわりとして掲げ、 それぞれの畑が持つテロワールを最大限に表現するための哲学として大切にしています。

・『バローロ・ブリック・デル・フィアスク』

 ワイナリーのフラッグシップ・キュヴェ。「ブリック」はイタリア語で「丘の頂上」、フィアスク(フィアスコ(Fiasco)は、藁に包まれたキャンティの伝統的なボトルを意味しており、昔は畑作業をするときにそのボトルを持ち寄っていたことが由来なのだそう。約8haの畑面積のうち、「パオロ・スカヴィーノ」は2.5haを所有しています。毎年この畑で作られるブドウが素晴らしいことを知っていたエンリコ氏が、父のパオロ氏を説得して造られるようになったキュヴェであることも、このワインが特別である理由の一つとなっています。

「気候変動と技術のおかげで、1970年代や80年代では考えられないほど飲みやすくなりました。2021年ヴィンテージもすぐ開けて楽しめますが、そうとは言いつつもエイジングができるのがバローロの魅力。こちらのキュヴェは810年熟成させることでさらに複雑な味わいが出てくるので、ぜひ熟成して楽しんでいただきたく思います。」

 今回の来日では、ピエモンテを代表する2つの名門ワイナリー、「カステッロ・ディ・ネイヴェ」と「パオロ・スカヴィーノ」のワイン造りへの情熱と哲学を直接伺うことができました。ぜひグラスの向こうにあるストーリーを感じながら、彼らが手がけるワインをお楽しみください。

■カステッロ・ディ・ネイヴェ  https://www.enoteca.co.jp/producer/detail/2568

■パオロ・スカヴィーノ  https://www.enoteca.co.jp/producer/detail/1277