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2025. 11. 14
生産者来日

ワグナー・ファミリー・オブ・ワインよりマーケティング・ディレクターが来日 ケイマス ヴィンヤーズの3種のワインと今後の取り組みを語る

 アメリカ・カリフォルニアの名門ワイナリー「ワグナー・ファミリー・オブ・ワイン」より、セールス・マーケティング・ディレクターのジャネット・トーマス氏と、アジア・マーケット・マネージャーのジェニー・パーク氏が来日。ワグナー家の歴史、代表的な「ケイマス」シリーズ、そして今後の展望について語っていただきました。

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↑左:セールス・マーケティング・ディレクターのジャネット・トーマス氏、右:アジア・マーケット・マネージャーのジェニー・パーク氏

ワグナー・ファミリー・オブ・ワインの歴史

 ワグナー・ファミリー・オブ・ワインは1972年、チャーリー・ワグナー氏、妻ローナ氏、そして息子チャック・ワグナー氏によって、カリフォルニアのナパ・ヴァレーに設立されました。彼らの最初のワイン「ケイマス・カベルネ・ソーヴィニヨン」がリリースされてから、2022年ヴィンテージで50周年を迎えます。

 創業時、チャーリー氏は60歳。多くの人がリタイアを選ぶ年齢でしたが、家庭でのワイン醸造が認められていた時代背景もあり、ホームワイナリーがビジネスへと発展しました。ワグナー家の系譜は1857年まで遡ることができ、カリフォルニアの生産者の中でも特に歴史の長い家族です。

 ローナ氏はドイツ系移民でミズーリ州出身、チャーリー氏はアルザス地方にルーツを持っています。いずれもワイン文化が根付いた地域にゆかりがあり、自然とワイン造りの道へ導かれた背景があります。現在ではチャック氏の子供たちもモントレーやナパ・ヴァレーでワインを手がけ、家族で複数のブランドを展開しています。

■ケイマス ヴィンヤーズの3種のワインについて

 ワグナー家のワイン造りの中心である「ケイマス・ヴィンヤーズ」は、ナパ・ヴァレーで半世紀以上にわたり家族経営を続けています。今回は、代表的な3種のカベルネ・ソーヴィニヨンについて、お二人にその魅力を伺いました。

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ケイマス・カリフォルニア・カベルネ・ソーヴィニヨン

・ケイマス・カリフォルニア・カベルネ・ソーヴィニヨン

 「カリフォルニアには、まだ知られていない素晴らしいカベルネ・ソーヴィニヨンの産地があるはず」──そんな探究心から誕生したのがこのワインです。パソ・ロブレス、モントレーなどの畑から収穫されたブドウを使用し、芳醇かつ妖艶なスタイルが魅力です。ケイマスの哲学をもっと多くの人に広めたいという思いがこのワインの誕生につながっています。ボトルのエチケットには、チャック氏が実際に撮影した土壌の岩の写真が使用されています。

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左:ケイマス・スペシャル・セレクション・カベルネ・ソーヴィニヨン、右:・ケイマス・ナパ・ヴァレー カベルネ・ソーヴィニヨン

・ケイマス・ナパ・ヴァレー カベルネ・ソーヴィニヨン

 「これはワグナー家にとっての起源、オリジンのワインです」とジャネット氏が語るこちらのワインは、甘美な味わいと凝縮感、ココアパウダーのようなタンニンが特徴。2000年頃まではボルドーを手本にしていたワグナー家ですが、2001年にチャック氏がワイナリーを引き継いでからはカリフォルニアらしさを追求するスタイルへと転換。ナパ・ヴァレー内の17種のAVA*1から毎年収穫・醸造を調整し、独自のスタイルを築いています。

*1AVA:American Viticultural Areas(アメリカン・ヴィティカルチュラル・エリア)の略称で、米国政府認定ブドウ栽培地域を意味し、一定の地理的、気候的なブドウ栽培条件をもつと見なされるエリアの境界線を規定するもの。

・ケイマス・スペシャル・セレクション・カベルネ・ソーヴィニヨン

 限られた年にのみ生産される特別なキュヴェが「スペシャル・セレクション・カベルネ・ソーヴィニヨン」です。ケイマス・シリーズの中でブドウがレーズン手前になるまで収穫を遅らせ、味わいを凝縮させるのが特徴です。種が茶色になるまで待ち、他のワイナリーより約2週間遅く収穫されるとのこと。醸造の初期過程が終わると、ワグナー家のメンバーによるブラインドテイスティングが行われ、3分間隔で70以上のロットを評価。タンニンの質や舌触りから最良のロットを選び、スペシャル・セレクションとして仕上げられます。この厳密なテイスティングプロセスこそが、品質へのこだわりを象徴しており、1975年のリリース以降、ワイン・スペクテーター誌で「ワイン・オブ・ザ・イヤー」を2度受賞した唯一のワインでもあります。

■チャック氏の思いとワイナリーの今後の取り組み

 今回来日したお二人は、ワインメーカであるチャック・ワグナー氏についてこう語ります。

「チャック氏は今でもジーンズとブーツを履いて、畑に出ています。世の中で言われる高級ワインのイメージのようなタキシードを着る方ではありません。しかし創業当時のファーマースタイルに誇りを持ち、そんなキャラクタ―で居続けたいというこだわりと思いのある方です」

多くのワイナリーにおいて跡継ぎがいなく、最終的に資本経営へ切り替わる中、これからも家族経営を大切にし、次の世代へつなげていきたというのがチャックさんの思いであると教えてくださいました。

 2022年には、新たなテイスティングルームがラザフォードから車で45分ほどのススーンに完成。ススーンとは、ネイティブアメリカンの言葉で「西の風」を意味し、建物も風が通り抜ける設計になっています。ミツバチの保全など、生物多様性にも配慮された建物とのことです。

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 ジャネット・トーマス氏にススーンの土地、そして今後の取り組みについて教えてくださいました。

「ススーンは栽培地としてまだ有名ではありませんが、今後質の高いワインが期待できる土地だと思います。ナパ・ヴァレーには現在約560件のワイナリーがあり、地価の高騰が課題です。ススーンは10件ほどしかワイナリーがなく土地の制約も少ないということもあり、第二の故郷として新たな価値の探求のため目を向けている地です。」

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ススーンに完成した新たなテイスティングルーム

 常に新たな挑戦を続けるワグナー・ファミリー・オブ・ワインでは、イノベーションの精神を大切にしています。最近はススーンの地でネロ・ダヴォラをはじめとするイタリアやギリシャの土着品種など育てる新しい取り組みを始めています。家族経営だからこそ、イノベーティブな存在であること、ストーリー性と面白みのあるワイナリーであることを目指しています。また、こうした精神を持つことが大切であるとも考えているとのことです。

 深い歴史を持ちながらも、常に進化を遂げ、革新的な存在であり続けようとするワグナー・ファミリー・オブ・ワイン。彼らの取り組みと、家族経営を重視し、次の世代へとつなげていきたいというチャック氏の思いを、彼らが手掛けるワインを通してご体感ください。

■ワグナー・ファミリー・オブ・ワイン https://www.enoteca.co.jp/producer/detail/856