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「カステッロ・ディ・アマ」よりオーナーが来日! 「風景を見せる力を持った」最高格付けのキャンティ・クラシコ
キャンティ・クラシコ有数の造り手である「カステッロ・ディ・アマ」より、オーナーであるマルコ・パランティ氏が来日。カステッロ・ディ・アマが手がける、キャンティ・クラシコ最高格付け「グラン・セレツィオーネ」のワインについて、ワイン造りの哲学とともに語っていただきました。

↑オーナー兼醸造家 マルコ・パランティ氏
「カステッロ・ディ・アマ」は、イタリア・トスカーナにおいてキャンティ・クラシコを手がける、名門ワイナリーです。オーナー兼醸造家であるマルコ氏は、長年キャンティ・クラシコ協会の会長を務め、イタリア有数の評価誌「ガンベロ・ロッソ」にて、2003年のワインメーカー・オブ・ザ・イヤーを受賞した実績を持つ名生産者。"徹底した品質主義"と"テロワールの表現"を哲学とし、これまで30年以上に渡りイタリアワインの最前線で活躍し続けています。「私が常に目指しているのは「カステッロ・ディ・アマ」の特徴を最大限に表現したワイン造りです」とマルコ氏は語ります。
■カステッロ・ディ・アマの特徴、所有する稀有なテロワール
カステッロ・ディ・アマが所有する土地には「アマだけが持つ唯一無二のテロワールを表現」する重要な要素が存在し、造られるワインを特徴付けています。
キャンティ・クラシコ地区は丘陵地帯に畑が分布しており、平均標高は200~500mと畑の位置によって差がありますが、この中において、カステッロ・ディ・アマが所有する畑の標高は420~527m。特に標高の高いエリアの一つで、そのため日当たりと風通しが非常に良く、春に霜が降りることがほぼ無いなど、ブドウ栽培にとって最良な土地とされています。

↑ガイオーレ・イン・キャンティ地区にカステッロ・ディ・アマが所有するワイナリーとその周囲に広がる畑
マルコ氏はこのような恵まれた自身の畑を長年研究した結果、"ブルゴーニュ的な「クリュ」ごとに収穫・醸造する方法"と"品質を高めるために収量制限すること"、この2つの手法をキャンティ・クラシコで本格的に実践しました。この手法と昼夜の気温差により、繊細な香りをもつエレガントなワイン造りを可能としています。
このようにキャンティ・クラシコ地区の中でも稀有なテロワールが、"生産者が醸造技術を知ることは必要だが、良いワイン造りに大切なのは技術よりもテロワール・ブドウ・気候を表現していくこと"というマルコ氏の哲学を裏付けています。
■「グラン・クリュ」に比肩する最高格付け「グラン・セレツィオーネ」
キャンティ・クラシコの中で、最も高品質で厳格な基準を満たした最高峰のワインを指す格付け、「キャンティ・クラシコ・グラン・セレツィオーネ」。制定は2014年と記憶に新しく、現在では185のワイナリーと241の畑が認定されています。
「グラン・セレツィオーネ」が制定される以前はリゼルヴァ( キャンティ・クラシコ地域で栽培されたサンジョヴェーゼ種のブドウを主に使用し、最低24ヵ月以上熟成)とアンナータ(最低12ヵ月熟成させる通常のキャンティ・クラシコ)という二つの格付けのみで、リゼルヴァが最上級のキャンティ・クラシコとされていました。しかし、リゼルヴァの熟成条件を「満たしただけ」のワインが量産され、それに対して一部のキャンティ・クラシコの生産者たちの努力によりリゼルヴァより高いクオリティのワインが多く造られたことで、格付けの改定が肝要とされました。
制定された年の2014年はイタリア全土でその年リリースされた2010年ヴィンテージが「ニューエイジ」と呼ばれる、特に良いヴィンテージとして話題となったことで、キャンティ・クラシコの最高品質のワインの存在を打ち出すため、その必要性はより強まりました。
「「グラン・セレツィオーネ」は今後、グラン・クリュと同じ役割を果たしていく」とマルコ氏は語ります。
↑現在のキャンティ・クラシコの格付け。さらにキャンティ・クラシコ協会に加入しているワイナリーは黒い雄鶏のマークを付けることが認められている
■「カステッロ・ディ・アマ」の手がけるキャンティ・クラシコ最高峰ワイン
「カステッロ・ディ・アマ」では現在、「ラ・カズッチャ」「ベラヴィスタ」という名の最上級畑を2つ所有しています。そしてそれぞれの畑の中でもっとも良い区画のものに畑の名前を付け、それ以外の区画をブレンドしたものを『サン・ロレンツォ』としてリリース、グラン・セレツィオーネに認定されています。
↑カステッロ・ディ・アマが手がける「グラン・セレツィオーネ」の代表キュヴェ。左から『サン・ロレンツォ・キャンティ・クラシコ・グラン・セレツィオーネ』、『キャンティ・クラシコ・グラン・セレツィオーネ・ヴィニェート・ラ・カズッチャ』、『キャンティ・クラシコ・グラン・セレツィオーネ・ヴィニェート・ベラヴィスタ』
ブドウの出来が良い年にのみリリースされる上級キュヴェのうち、『ラ・カズッチャ』の特徴はボリューム感を持ちながら攻撃的ではないタンニン。官能的ともいえるほどフルーティーで抗いがたい魅力を持ちます。対して『ベラヴィスタ』はいかにもキャンティ・クラシコらしいしっかりとしたタンニンに、スパイシーさも感じられる厳格さが特徴です。醸造工程は同じながら、異なる畑で育ったブドウによってワインの味わいに大きな違いが表れています。
「キャンティ・クラシコの名声はトップワインが造ります。『ラ・カズッチャ』と『ベラヴィスタ』がそれを担う存在で、世界中の名だたるワインと肩を並べることができるサンジョヴェーゼです」とマルコ氏。カステッロ・ディ・アマのテロワールを感じる最高峰のキャンティ・クラシコ、サンジョヴェーゼを造りたいという想いが映し出されたワインは、イタリアワインを牽引していくにふさわしい存在感を放っています。
■ 窓を開けて風景を見せる力を持ったワイン
常にトップクラスのキャンティ・クラシコを造り続け、躍進を続ける「カステッロ・ディ・アマ」。オーナーであり醸造家であるマルコ氏にとって「ワインとは何か」を伺いました。
「ワインというのは風景を見せてくれるもの。ただのアルコール飲料ではなく、トスカーナのワインを飲んだらトスカーナのテロワールと風景を思い起こさせ、物語る飲み物だと思っています。おいしいのは当たり前。だけどワインは、さらにその後ろにある窓を開けて広がる風景を見せてくれる、他に類を見ない魅力を持った飲み物です。「カステッロ・ディ・アマ」は、特にテロワールを刻むことができる稀有な産地で「窓を開けて風景を見せる力を持ったワイン」を造っています」
↑テイスティングイベントにて「カステッロ・ディ・アマ」の哲学を語るマルコ氏(通訳・宮嶋勲氏)
■カステッロ・ディ・アマ https://www.enoteca.co.jp/producer/detail/117