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2025. 05. 23
生産者来日

北ローヌを代表するワイナリー「ドゥラス」エノテカ初となる生産者来日イベントを開催

 2025年4月1日より日本正規代理店として販売を開始したフランス・北ローヌを代表するワイナリー「ドゥラス」。この度CEOのマルク・ウランジェ氏をお迎えし、エノテカ初となる生産者来日イベントを開催しました。


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↑「ドゥラス」CEOのマルク・ウランジェ氏

 「ドゥラス」は、1835年創業の北ローヌを代表する歴史あるワイナリーです。フランス屈指の銘醸地エルミタージュの中でも、優れた畑を有しています。所有する畑の一つ「レ・ベサール」は2022年にワイン評価誌「デキャンタ」が選ぶ"最も偉大な12のブドウ畑"に選出されました。その畑から生まれるトップキュヴェ「エルミタージュ・レ・ベサール」の2009年、2010年ヴィンテージは「ワイン・アドヴォケイト」で100点満点を獲得するなど、世界的に高く評価される素晴らしい畑を所有しています。

 約2世紀前からワイン造りを行っている彼ら。長年家族経営を続けていましたが、一度ビジネスが困窮した時期がありました。転機となったのが、1996年にシャンパーニュ・メゾン「ルイ・ロデレール」を所有するルゾーファミリーの傘下となったこと。その後、新たな章をスタート。技術革新を行いワインが高く評価され、現在は「ルネッサンスのような生まれ変わりの時期である」とCEOのマルク氏は語ります。

 ドゥラスが掲げているビジョンは「エルミタージュの卓越したワインを届けること」。彼らの強みや醸造のこだわりについて語ってくださいました。

■エルミタージュのテロワール

 まずマルク氏が語ったのは、エルミタージュの素晴らしいテロワールについて。ドゥラスが所有するエルミタージュの畑は3億年以上前から形成された花崗岩の土壌で構成されています。花崗岩土壌は栄養素が少なくブドウにとっては厳しい環境ですが、その結果、果実が小さくなり、凝縮感のあるブドウが収穫できるそうです。

 そして、その土地で古くから栽培されてきたのがシラーです。DNA鑑定の結果、シラーは北ローヌ原産のブドウ樹がルーツであることがわかっているとか。花崗岩で育つシラーは、力強すぎる味わいにならず、エレガントな味わいに仕上がります。そのような歴史と最適な土地でシラーを作ることへのこだわりを持っているとマルク氏は語りました。

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↑エルミタージュの地図
赤い部分がドゥラスが所有するエルミタージュの畑で、すべて花崗岩土壌で構成されている

 また、エルミタージュは非常に急斜面であることから、段々畑の形状になっていることも特徴の一つ。作業するのも非常に過酷ですが、そこでオーガニック栽培を行っているため、人の手でのケアが欠かせません。人にとっても厳しい環境ですが、そのような中でも丁寧なブドウ栽培を行っています。

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↑段々畑の形状かつ急斜面となっているエルミタージュの畑

■素晴らしいテロワールを表現するために

 所有する畑の素晴らしいテロワールを表現できる強みとしてマルク氏が挙げたことが二つあります。一つが最先端の醸造施設を持っていること。畑ごとのテロワールを表現できるように、区画ごとに醸造。緻密な管理ができる施設となっています。

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↑緻密な管理を実現するドゥラスの醸造施設

 もう一つが、チームメンバーについて。現在ワイン造りの根幹を担っているメンバーが3名います。27年間ドゥラスに勤めるテクニカル・ディレクターのジャック・グランジュ氏、若手ながらもパッションのあるワインメーカーのマルコ・ベックマン氏、そして畑の管理を担うクレマン・パニガイ氏です。経験豊富で伝統も知るジャック氏と、革新的な意見を持つ若手二人のチームワークで卓越したワイン造りができていると語りました。

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↑左からテクニカル・ディレクターのジャック・グランジュ氏、ワインメーカーのマルコ・ベックマン氏、畑の管理を担うクレマン・パニガイ氏

■ドゥラスの哲学を感じられるラインナップ

 エルミタージュの特徴・魅力について熱く語るマルク氏。ドゥラスならではの特徴的なテロワールを色濃く反映した彼らのワインは、抑制的でエレガントな仕上がりとなっています。

 生産量約5,000本の稀少なトップキュヴェ「エルミタージュ・レ・ベサール」は、エルミタージュの75段に分かれる畑からブドウを収穫し、グループに分けて醸造を行っているそう。そうした緻密な醸造によって、複雑で凝縮感のある仕上がりとなっています。熟成のポテンシャルは非常に高く、それはやはり花崗岩土壌から生まれるシラーだからこそ。土地の魅力を最大限生かす彼らのワイン造りを体感できる1本です。

 また、今回の来日では、「コンドリューに重みのあるイメージを持たれていたお客様が、エレガントな仕上がりのドゥラスのコンドリューに対して新たな発見をされていたことが印象的だった」と話されていました。加えて、「日本酒の丸みのあるスタイルとエレガントなコンドリューとの親和性を感じ、日本のお客様へそういった面でもアプローチができるのではないかと考えている」と、日本酒とコンドリューの意外な類似性についても語っていただきました。

 ルネッサンスー生まれ変わりの状態にあるという彼ら。これからもエルミタージュの魅力を表現し、北ローヌワインを牽引し続けることでしょう。

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↑左から「コンドリュー・クロ・ブシェ」「エルミタージュ・ブラン」「クローズ・エルミタージュ・ル・クロ」「エルミタージュ・ドメーヌ・デ・トゥレット・ルージュ」「エルミタージュ・レ・ベサール」「エルミタージュ・リーニュ・ド・クレート・リュー・ディ・レ・グランド・ヴィーニュ」