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2024. 10. 18
生産者来日

シチリアの名門ワイナリー「ラッロ」のCEOが語る ワインの魅力とワイナリーの目標

 エノテカ株式会社(本社:東京都港区、社長:堀慎二)が正規代理店として取り扱う、シチリアを代表するワイナリー「ラッロ」のCEO、アンドレア・ヴェスコ氏が来日し、ショップでのテイスティングイベントを開催しました。アンドレア・ヴェスコ氏にラッロの魅力について語っていただきました。

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CEOのアンドレア・ヴェスコ氏

 1860年に設立されたラッロは、シチリア島に現存する最古のワイナリーの一つです。創業当初はマルサラ*1を中心に製造していましたが、現在ではスティルワイン*2に注力し、シチリア西部を代表するプレミアムワインブランドとして知られています。年間約60万本を生産し、そのうち半分は国内で消費され、残りの半分が輸出されています。主な輸出国はイギリス、アメリカ、スウェーデンで、日本への輸出規模も大きいとのことです。

 畑は丘陵地帯のアルカモ、海に近いマルサラ、そしてアフリカに近いパンテレリア島に広がり、それぞれの土地の特性を生かしたワイン造りが行われています。アンドレア氏にそれぞれの土地の特長について教えてもらいました。

*1:イタリアを代表する酒精強化ワイン
*2:非発泡性のワイン

■アルカモ

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 アルカモにはラッロ最大の畑があり、約100haのブドウ畑が広がっています。また、近辺には約7haのオリーブが植えられており、この土地はアンドレア氏が先祖代々受け継いだ土地となります。酸性の土壌が特徴で、ブドウにフレッシュな酸と華やかな花の香りをもたらします。標高差が200600mの起伏に富んだ丘陵地帯で、非常に雨の少ない地域のため、土壌の保護と水分保持のために芝生が植えられています。

■マルサラ

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 酒精強化ワインが有名なマルサラ。約10haの畑を所有しており、畑の目の前には海が広がっています。拠点となるマルサラには、1832年築の歴史的なワイナリーがあり、窒素充填が可能な最新の醸造設備も備えています。ブドウ畑は海からの影響を強く受けており、畑が海に近いメリットとしてブドウがほんのり塩味を持つことなんだそう。グリッロを使った「ビアンコ・マッジョーレ」は、後味に塩味があることを感じられるそうです。

■パンテレリア

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 パンテレリア島はシチリア島から南西に100km離れた場所にある島。段々畑のように広がる畑を約2ha所有しています。パッシート*3を造るためにジビッボ(マスカット・オブ・アレキサンドリア)という品種が栽培されています。この地域では、他の地域とは異なる地中海式の「アルベレッロ*4」というブドウの仕立て方が採用されています。(写真左)

*3ブドウを陰干しして糖度を高め、半分乾燥した状態のブドウから造る甘口ワインの製造方法。
*4:ブドウの樹を独立させ、ワイヤーや支柱を使わず、幹を低く選定することで、水分の吸収性を良くする方法。日差しが強く、乾燥している地域、南イタリアやシチリア島で多く使われている仕立て方。

 ラッロではすべての畑を自社畑として所有し、すべてオーガニック栽培で手作業による収穫を行っています。さらに、環境に配慮したラベルを採用し、ヴィーガン認証も取得しています。特に、白ワインを重視したワイン造りは「l'essenziale è bianco」として知られ、そのフレッシュでフルーティーな味わいが特長とのことです。

 また、ラッロでは伝統的な土着品種を世界に広めることに力を注いでいます。例えば、エントリーワインの「カルタ・ドーロ」は、カタラットという土着品種を90%使用しており、その味わいはなめらかで酸と熟度のバランスが良く、メロンのような瑞々しさが特長です。また「エヴロ」はインツォリアという土着品種を100%使用し、丘陵地帯のアルカモで栽培されたブドウを使用しています。エチケットの斜めの線は、丘陵の坂をイメージしているのだとか。シチリアにいたビアンカ・エブロという最後の女王の名前にちなみ、「エヴロ」と名付けられたとのことです。エチケットをよく見ると女王が住んでいたとされるお城の絵と王冠が描かれています。

 さらにラッロの今後のヴィジョンについて、アンドレア氏に教えていただきました。

「大きく3つの柱を持っています。1つ目はサステナブルなワイナリーを運営すること。2つ目は、シチリアの土着品種にさらにフォーカスし、世界に発信していくことです。現在、手がけているカタラットやジビッボ、インツォリアの他にもまだまだ知られていない土着品種や、シチリアから消えつつある品種があります。それらの品種を高いクオリティでリリースすることで世界的な知名度を上げていきたいと考えています。3つ目は、観光とワインを結び付けて発信していくことです。近年、シチリアへの観光客が増えています。西と東に大きな観光都市やビーチリゾートもあるため、観光とワインを結び付けたアプローチをしていきたいと考えています。」

 2025年には、ソーラーパネルの設置や醸造設備の改修を計画しており、2026年には完全なカーボンフリーを目指しているとのこと。サステナブルなワイン造りを進めながらシチリアの観光需要にも対応していくラッロの今後に注目です。

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ラッロのワイン6種。一番左が「カルタ・ドーロ」、その右隣が「エヴロ」。