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2024. 08. 09
生産者来日

タルデュー・ローランより来日!オーナー・ファミリーが語る、古樹へのこだわりと「ミクロ・ネゴシアン」としての想い

 エノテカ株式会社(本社:東京都港区、社長:堀 慎二)が正規代理店として取り扱う、ローヌ屈指の目利きと称賛されるネゴシアン「タルデュー・ローラン」より、オーナー・ファミリーのバスティアン・タルデュー氏が来日し、ショップでのテイスティングイベントを開催しました。

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オーナー・ファミリーのバスティアン・タルデュー氏

 2019年以来の来日となるバスティアン・タルデュー氏は、再び日本に戻ってくることができて嬉しいと笑みを浮かべていました。今回は、ローヌで「ミクロ・ネゴシアン」を始めたパイオニアである「タルデュー・ローラン」のワインと古樹へのこだわりについてお話を伺いました。

*ミクロ・ネゴシアンとは、一般的にブドウ畑を所有せず、契約農家からブドウを果実や果汁、発酵後のワインの状態で買い付けてワインを造る小規模生産者のことを指します。

 家族経営のワイナリーである「タルデュー・ローラン」は、バスティアン氏の父でローヌ出身のミシェル・タルデュー氏と、ブルゴーニュの有名なネゴシアンのドミニク・ローラン氏が1996年に創業しました。ローヌ地方の北から南まで、14のアペラシオンでワインを手がけています。バスティアン・タルデュー氏によると、彼らのワイン造りは、ブルゴーニュのスタイルにインスピレーションを受けているそうです。これは、ドミニク・ローラン氏がブルゴーニュ出身であることと、ミシェル・タルデュー氏がブルゴーニュのワインを好んでいたことに由来しています。

「タルデュー・ローラン」が特に大切にしているのは、"古樹のブドウ"です。古樹にこだわり、厳選して買い付けた良質なブドウから、産地の個性を表現したワインを造っています。バスティアン氏は古樹について、次のように語っていただきました。

「クローズ・エルミタージュには一番若いブドウの木で50年、古いもので80年の樹齢のブドウを使用しています。古樹のブドウは付ける房の数が減少することから、風通しも良いため病害が少ないという特長があります。また、実が少なくなる分、アルコール度数も若干低くなります。さらに、古樹のブドウは若樹よりもブドウの根が地中深くに張っていることから、養分やミネラルなど土壌の成分をよりよく吸収し、味わいに複雑味と深みが増すと共に、その土地ならではの要素を表現できます。」

 続いてバスティアン氏が「ローヌのモンラッシェです」と紹介したのは、エルミタージュ・ブランです。エルミタージュは、白ワインと赤ワインの両方が生産され、どちらもフランス国内での評価が高いアペラシオンです。このワインには樹齢50年以上のマルサンヌと40年以上のルーサンヌを使用しています。バスティアン氏曰く、寝かせれば寝かせるほどフレッシュに感じられるワインで、非常にゆっくりと熟成が進むため、熟成させて楽しみたいワインとのことです。フランスでは生産者同士がワイナリーを訪問するときにボトルを交換し合うという文化があるそうで、ブルゴーニュから訪れた生産者には、ローヌのモンラッシェであるこのエルミタージュ・ブランを必ず渡すのだそうです。

 フランス国内でも大きなアペラシオンであり、彼らのフラッグシップワインの1つであるシャトーヌフ・デュ・パプは、樹齢60年~80年のグルナッシュと40年以上のシラーが使用され、凝縮した旨みが感じられます。エレガントで、他のワインとは異なる質のタンニンが特徴です。バスティアン氏はこのタンニンについて次のように話していました。

「キャンディのような甘味を感じるのは、この上質なタンニン由来です。甘味や甘いスパイス、オリエンタルな雰囲気が感じられ、余韻も心地よく、口の中にタンニンがあまり残らないのが特徴です。」

 ネゴシアンの仕事を誇りに思っていると話す、バスティアン氏。仕事への想いを教えてくれました。

「この仕事において最も大切なことは、自分の目で見て、ワイン造りのプロセスを決めることです。ブドウ畑へ向かい、テイスティングを重ね、収穫のタイミングも決定しています。ブドウを買い付け、さまざまな場所に出向く、それが私の仕事です。父が初めてローヌで始めたミクロ・ネゴシアンの仕事を誇りに思っています。」

「タルデュー・ローラン」は、「ミクロ・ネゴシアン」というスタイルでローヌのアペラシオンの要素を忠実に美しく表現する生産者です。古樹へのこだわりとブルゴーニュへのインスピレーションを大切にする彼らのワインに、ますます注目です。

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「タルデユー・ローラン」のワインボトル 一番右がフラッグシップワインの1つ「シャトーヌフ・デュ・パプ」