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2024. 06. 26
生産者来日

カーゼ・バッセより生産者が初来日! 2代目マウロ氏が語る、ソルデラ・ファミリーの価値観

 エノテカ株式会社(本社:東京都港区、社長:堀 慎二)が、202011月より正規代理店として取り扱うモンタルチーノ地区最高峰の生産者として名高い「カーゼ・バッセ・ディ・ジャンフランコ・ソルデラ」より、オーナー・ファミリーのマウロ・ソルデラ氏とブランド・コンサルタントのヴァレリア・ファリーナ氏が初来日、ショップで初めてのテイスティングイベントやワインメーカーズ・ディナーを開催しました。

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オーナー・ファミリーのマウロ・ソルデラ氏(左)とブランド・コンサルタントのヴァレリア・ファリーナ氏

 マウロ・ソルデラ氏は2019年に82歳で逝去した伝説的な生産者、ジャンフランコ・ソルデラ氏の息子で、姉のモニカ氏、その夫のパオロ氏と共に、ファミリーで唯一無二と謳われるブルネッロ「ソルデラ」を手がけています。「ソルデラ」の圧倒的な美しさの秘密は一体どこにあるのか――マウロ氏にカーゼ・バッセのワイン造りについて詳細にお話いただきました。

「カーゼ・バッセの敷地は24ha、標高320mの場所に位置しています。そのうちサンジョヴェーゼの畑が約10ha、残りの約9haが森で、2haがボタニカル・ガーデンとなっています。庭には1,500種類以上の植物が植えられ、そこに蜂や昆虫、鳥が集まり、畑を囲むように木々があり、こうした自然な環境が生物多様性のバランスを保ち、畑をヘルシーな状態に保つ役割を果たしています。」 

 今でこそ、ブドウ畑のみならず、周囲の環境に配慮した"アグロフォレストリー"に取り組むトップ生産者が増えていますが、カーゼ・バッセでは1980年代からそうした体系的な取り組みを実践していました。加えて、ジャンフランコ・ソルデラ氏は、ルイ・ロデレールやルロワなど一部のトップ生産者が導入しているトレサージュ(ブドウのつるを夏季剪定せず、編み込んでいくこと)を創業当初から行っており、様々な点において時代を先取りする取り組みを当たり前のように行ってきたところがカーゼ・バッセの凄さとも言えます。

 畑でもセラーでの仕事も、すべて自然に寄り添った形で行われています。2001年に造られたセラーは地下14mの位置にあり、特筆すべきは石を積み重ねてできた壁で、通気のよい"呼吸するセラー"であること。この壁は温度と湿度の観点で優れているそうです。

「ブドウの選別は非常に厳格で、ブルネッロの規定よりも非常に低い収量となっています。機械は使用せず、すべて人の手で行っています。酵母はブドウやセラーにある天然酵母を使用しています。ポンピングオーバー*を行い、温度コントロールはしていません。自然素材である木の樽を使用し、リスクがありながらも3335℃まで温度を上げて発酵させ、スラヴォニア産の大樽(ボッティ)で約5年熟成させます。」

*発酵槽の下部から発酵中の果汁を抜き取り、ポンプでタンク上部に戻し、果皮や種にかけて攪拌すること。

「ワイン造りにおいて、マジック的なことは一切ありません。基本的なことをやりながら、着実によいブドウを残し、ワインにしていくのです」とマウロ氏は語ります。

「ワイン造りでは、そのまま放置するとブドウジュースは酢になってしまいます。人の判断がないとワインはできません。ワイン造りには自然のバランスと共に人の判断が必要で、"自然"と"人の価値観"のバランスが優れたワインを生み出すのです」

 モニカ氏やマウロ氏は2世代目となりますが、ジャンフランコ氏の代からワイン造りやブドウ栽培について、大きくは何も変えてはいないそうです。

「父は非常に厳しい人で、自然派ワインの造り手たちに対しては、もっと勉強すべきだ、と意見を言っていました。自然に寄り添ったワイン造りには、1月から収穫の時期までいつでも必ずリスクが生じます。そのリスクは適切にマネージメントすることで減らすことができる、そのためにももっと学ぶべきだと父は語っていました。父の代から、カーゼ・バッセのワイン造りは何も変えてはいません。ただ、より良くしたいとは思っています。父はワイン以外にも食や歴史、伝統など多彩な方面に興味関心が強く、ワイン造りにおいても事実を知ることがより良いワイン造りに繋がると考えていました。その精神を私たちは引き継いでおり、それこそがソルデラ・ファミリーの価値観なのです。」

 ジャンフランコ・ソルデラ氏はあまりビジネストリップをせず、モンタルチーノを離れることがなかったとのことで、ソルデラ・ファミリーとして日本を訪れたのは、今回のマウロ氏が初めて。日本の食や人に良い印象を持っており、日本で食べた和食の味わいのエレガントさにカーゼ・バッセとの共通点を感じたそう。「日本の皆さんにソルデラ体験を提案していきたい」とのことで、父ジャンフランコ氏の伝統を引き継ぐと同時に、さらなる高みを目指す2世代目カーゼ・バッセにますます注目です。

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プレスセミナーで提供した「ソルデラ」。2018年、2016年、2013年の3種類